婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「フローラ様を逃したら、一生結婚できないんじゃないですか?」
「別にそれでいい。ローラとしか結婚しない」
彼女しか考えられないし、諦めたくない。
「だったら、頑張ってください。俺達、応援してますから」
次々と突っ込んでくるダンに傷口に塩を塗られたような気がしなくもない。己の不甲斐なさをひしひしと感じてしまう。本人はエールを送っているつもりなのだろう。
側近が味方してくれるのはありがたい。ありがたいのだが。
「殿下、いざとなったら王命という手もございますからね」
柔和な笑顔で二つ目の燭台に手をかけたセバスが言った。
「王命か。その手がありましたね。そっちの方が早いんじゃないですか? さっそく国王陛下に掛け合ってみては?」