婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「おー。それは名案」
即決な方法を見つけたと思ったのか、みんなの顔がぱあと明るくなった。
相当な乗り気である。
俺では心もとないのか、頼りにならないと思ったのか、失礼な態度だな。俺だって考えないことはなかったから、偉そうなことは言えないが。
「ダン、ちょっと慎みなさい。殿下にも失礼でしょう。あくまでも最終手段ですよ。もしもの時には、このセバスが誠心誠意をもって土下座をしてでも陛下にお願いしますから、何なら、この役職と引き換えにしてでも……」
布巾を握りしめた手が興奮のためかプルプルと震えている。
ガバっとソファから起き上がると
「セバス。お前も慎んでくれ」
俺は慌ててセバスを止める。力説しすぎだ。
そのうち、命を……とか、言い出すんじゃないか。