婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「それでなんだが、研究をするにしても、うちでは手狭だと思うのだが、どう思う?」

「手狭、ですか?」

 敷地内に温室と研究棟ですから、ある程度やりたいことも限られてくると言えばそうなのですが、それもやり方次第だと思って今日までやってきました。
 広ければ、研究の幅は広げられるとは思いますが。

「ああ、これからも研究を続けたいというのであれば、場所を移してはどうかと思ってな」

「場所を移す?」

「そうだ。広い土地に研究所を建てて研究員を雇うというのもどうだろう? 今まで一人でやってて来て成果もこれ以上ないくらい出している。これからは研究員と共に、さらに国の発展に寄与するというのはどうだろうか?」

「研究員?」

 思いもかけない話が飛び出してきて目を丸くしました。

 今までは一人で自分のペースで頑張ってきましたが、確かに一人ではすることが限られてしまいます。学生だから無理のない範囲で続けてきましたが、卒業すればもっと効率の良いやり方に変えることが必要かもしれません。

 もっと研究をするには施設の充実した整備が不可欠ですから、実現すればと胸が躍りますが。

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