婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
我が息子に申し分ないって、公爵令嬢のわたくしが? 侯爵といっても三男じゃないの。爵位もない三男。それもどこがわたくしに相応しいというの。
お父様もお母様も揃いも揃って、どうしてそんな男との結婚を勧めるの。
レイニー殿下との結婚の夢が破れてズタズタに切り裂かれたわたくしの心の傷から、どくどくと血が流れだす。
今までもいろいろな縁談があったけれど、これほどまで両親が押してくることはなかった。
「ビビアン? どうかしら」
「断ったら、どうなるのです?」
「……そなたの理想の結婚条件を満たす令息を見つけるのは、難しいかもしれない」
お父様の言う通りなら、婚期を逃すかもしれないということ?
崖っぷちに立たされている。