婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
王族の責任
ひんやりとした冷たい空気が肌をなでる早朝。
まだ夜が明けきらぬ時刻に起きて身支度を済ませ、レイ様とやってきたのは北の宮の池のほとり。
珍しい花が咲くという名目につられて見学に来たのは今日で二回目です。
「寒くないかい?」
池のほとりの見晴らしの良い場所に備えられた白いベンチに着いたところで、レイ様の気遣うような声がしました。
「大丈夫です。寒くありませんわ」
「そう? だったら、よいけれど」
初夏といえども早朝はまだ肌寒くて厚着が必要です。
ですから、今朝は肌を露出しない首や手先が隠れるようなドレスに靴はヒールではなくてブーツを履いています。
まだ夜が明けきらぬ時刻に起きて身支度を済ませ、レイ様とやってきたのは北の宮の池のほとり。
珍しい花が咲くという名目につられて見学に来たのは今日で二回目です。
「寒くないかい?」
池のほとりの見晴らしの良い場所に備えられた白いベンチに着いたところで、レイ様の気遣うような声がしました。
「大丈夫です。寒くありませんわ」
「そう? だったら、よいけれど」
初夏といえども早朝はまだ肌寒くて厚着が必要です。
ですから、今朝は肌を露出しない首や手先が隠れるようなドレスに靴はヒールではなくてブーツを履いています。