婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「レイ様、私は大丈夫ですから。ご自分の身体を大事にしてくださいませ」
ショールを羽織るということは、寒さを感じているからでしょう。私は十分に防寒対策をしてくれましたから、さほど寒さを感じません。
それよりもレイ様が心配です。風邪など召したら大変ですもの。
「俺の身体のことを心配してくれるんだね」
「当たり前です。大事な方なんですから、ご自分の身を第一に考えてください」
「……大事な方?」
驚いた表情のレイ様が小さな声で反芻します。
何か、変なことを言ったかしら?
喜びがにじんだ瞳でじっと見つめるレイ様。