婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

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 先生の診察とお茶の時間が終わってしばらくたった頃、レイ様が姿を見せました。
 執務の合間に顔を見せてくれるレイ様ですが、ちょっとそわそわしていらっしゃるよう。

「ローラ。どうだった?」

 空いていたソファに座ったレイ様は診断結果が気になるのでしょう。

「腫れもなく痛みもありませんので、日常生活に戻って大丈夫だと言われました」

「そうか、よかった」

 安堵の息をついて微笑みを浮かべたレイ様に私の顔も綻びます。

「少し散歩しない?」

「はい。時間は大丈夫ですか?」

「気分転換。それにローラ不足だし、ねっ」

 そういって片目を瞑ってみせるレイ様にドキッとしました。

「それに……」

 意味深に口を閉ざしたレイ様にさらに心臓の鼓動が速まります。

 先にある出来事を思うと躊躇する気持ちも生まれましたが、差し出された手を取り立ち上がると庭園へと足を運びました。 

 
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