婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
『きっと照れてらっしゃるのよ。これから徐々にお互いを知っていけばいいわ。わたくしもそうだったわよ』
なんて、お母様は軽く言うけれど、それはお互いに好意を持っていればこそだと思うわ。
とてもじゃないけれど、好意を持たれてるなんて思えなかったもの。わたくしもそうだけれど。確かに実物も美丈夫な人で容姿はよかった。ただそれだけ。
そんな相手と結婚して上手くいくなんて楽観はできない。でも、歩み寄らないといけないのよね。
これがレイニー殿下だったらと思ってしまう。
そうであれば、一も二もなく自分磨きに精を出すのに。
詮無い事を思い、また一つ溜息を零した。