婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「はい。申し訳ありません」
往生際悪く抗ってみたけれど、いつまでもごまかせるわけもなくて。
「やっと、認めたね。うん。よかった」
なぜか独りごちるレイ様。
「謝らなくてもいいのに。俺は嬉しかったんだから」
反応する暇もなく、唇に柔らかなものが触れました。すぐに離れたけれど。
えっ? もしかして、キスされたの?
「まだ、足りなさそう?」
何が起きたのか理解できなくて何度も瞬きをする私にレイ様の顔が近づいてきて唇が重なりました。さっきよりも息をするのも忘れるくらいにじっくりと触れ合う口づけ。
やっと、唇が離れた時には息も絶え絶え。何度も深呼吸を繰り返して正常さを取り戻した私を待ち構えたように、腕の中に抱き込みました。