婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「そう。でも、大丈夫なの?」

「お姉様の心配もわからないではないですが、これも一つの勉強。エドガーは後継者としてリリアさんは侯爵夫人として適任なのか見極めるためというのもあります」

「要するに試験ということね。嫡男なのに、すんなり後継者といかないところが悲しいわね」

 痛いところを突くお姉様。

 婚約破棄騒動を起こした時点で後継者から外したいところだったのだけれど、スティールが拒否している状況ではそれも出来ない。
 だからといって親戚から後継者をと思っても、息子が二人いるのに両方とも当主としての資格なしとなればテンネル侯爵家の教育の資質が問われる。それが信用の低下にも繋がるかもしれない。

 杞憂に終わればいいけれど、そこが難しいところなのだ。

 だからチャンスをあげることにした。


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