婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
ガーデンパーティーで出会ったって、子猫を助けるために木に登って降りられなくなった彼女を助けたのがきっかけって、ウソでしょ。女の子が憧れるようなシチュエーションが実際にあるなんて。フローラさんて清純そうな顔をして実はあざとかったりして。あまりにも出来過ぎているもの。
あたしも同じ場所にいたのになあ。このセリフ周りでもちらほら聞いたわ。ガーデンパーティーに出席していた生徒達が言ってたみたい。
「リリア、おはよう」
背後から声がして振り向くとエドガーが笑顔で立っていた。
「おはよう。エドガー」
王子様より少し劣るけど、エドガーも美男子だ。あたしたちは肩を並べて歩き出す。
「もしかして、また来てたのか? 殿下」
「うん。そうだよ」
王子様をのせた馬車はとっくにいなくなっている。見送りを終えた生徒達もそれぞれの教室へと向かっていた。
「殿下も物好きだな。あんな地味な女のどこがいいんだか」
「うーん。そうかなあ?」