婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 
 広場の中央には大きな噴水があって人々を和ませている。

 子供達が駆けまわったり、屋台の食べ物を食べていたり、ベンチに座って休む人もいる。家族連れも多いけれどカップルも見かける。中には貴族と思われる人達もいる。 
 
 物珍しさからか最近は下町を散策するのがプチムーブになっているとか聞いたことがある。

 香ばしい匂いと甘い匂いが漂ってくる。
 一番最初に目に入ったのは串焼き。お肉とタレの焼ける匂いが食欲を刺激した。それはエドガーも同じようであたしたちは行列に並んだ。

 順番待ちしている間に次は何を食べようかとお店を見回した。

 焼きとうもろこしも美味しそう。川魚も。ほくほくとした身をかぶりつくのもいい。ホットドックも食べたい。ジューシーなソーセージの味が口いっぱいに広がって、さぞや美味しいだろう。果実水も飲まなくちゃ。
 食に対する要求が際限ない。お腹がすいているせいだろう。

 お肉に付け込んだ甘辛のタレの少し焦げた匂いが食欲をそそる。目当ての串焼きを手にすると早速かぶりついた。

 うーん。おいしい。

 屋台の中で一番行列ができているのも頷けるわ。
 エドガーも気に入ったみたい。夢中になってかぶりついているもの。

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