婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「私って彼に嫌われていたから」
容姿が好みでないのが大きかったのかもしれない。性格も。何もかも気に入られず。これでは上手くいくはずがないものね。
「コンプレックスが刺激されるからじゃないの? 一応、彼も幼少期は神童ともてはやされていた時期があったみたいだし、神童も大人になれば只の人ってケースもあるようだから、彼はそれに当てはまったのではないかしらね」
「そうなのかしら?」
「学園の成績を見れば一目瞭然よ。それでも努力を怠らなければ、天才ではなくても秀才にはなれたんじゃないのかしらね。器の小さい者ほど自分より優れた人間を認められないものよ。金紫珠褒賞を授与したフローラと張り合おうなんて百万年早いんじゃないかしらね。実力を認め慈しみ協力していくことの方が賢い選択よ。それにフローラは性格も良いしとても可愛いわ」