婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
 
 自信たっぷりに話すディアナに少し赤面してしまいました。最後の言葉は、ちょっと恥ずかしい。馬車に同乗しているケイトとルーシーもうんうんと首肯しているので、ますます恥ずかしさが増していきます。

 例えお世辞であっても、ディアナに褒められると嬉しくて元気が出てきました。

「ディアナありがとう。彼にも婚約者がいるのだし、気にしないようにするわ」

「そうよ。フローラには無関係な人間よ。捨て置きなさい」

「そうするわ」

 ずっとつかえていたものを本人に吐き出せたから、スッキリとした気分。

 けじめをつけるために呼び方も変えたわ。もう関係のない赤の他人ですものね。
 今日テンネル侯爵令息に出会えたことは僥倖だったのかもしれないわ。窓越しに流れゆく景色を清々しい気持ちで眺めました。

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