婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
悪気はなかったのかもしれないが、だからと言って悪気がなければ何をしてもいいわけではないし、許される行為ではない。今回はお咎めはなかったが、次回同じようなことをすれば、無事でいられるはずはない。
「だから、反省したとでもいうのか」
リリアは涙を流しながらこくこくと大きく首を縦に振った。
「はい。深く深く反省してもっと努力しますから、許してください。お願いします。お義父様」
ギリギリ崖っぷちに立たされてやっと反省するなどと言っているが、喉元過ぎればなんとやらだろう。
また、同じことを繰り返すことは目に見えている。
「言っただろう。これは決定事項で覆らないと。反省し努力することは大いに結構なことだ。存分にやりなさい。修道院の中でな。三年ほど真面目に励めば生きていくための最低限のものは身に着くだろう。選んだところは職業訓練も担っている。そこで、手に職をつけて市井で暮らしていける仕事を探すことだ」
「お義父様……どういう意味? 手に職? 市井って……」