婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
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煌びやかなドレスや正装に身を包み王城の大広間で行われるエドガーと卒業パーティーに出席していた。
堅苦しいあいさつも終わって優雅な音楽が流れ始めるとダンスが始まった。あたしもエドガーと二曲踊り終えて友達と合流して話に花が咲いて楽しんでいた。
『リリア。ちょっとこいつらと庭園で話をしてきていいか?』
『うん。ちょっとだけならいいよ』
エドガーはいつもの友達とつるんでいたから軽い気持ちでOKした。卒業後は会える機会も減ってしまうからと言われると友情も大事だよねと思ったので。
『相変わらず、仲いいわね。羨ましいわ』
友達と連れ立って歩いていくエドガーの背中を見送っていると、イネスの声がした。
『ホント。リリアも結婚したら侯爵家の一員になるのね。これから軽々しく声をかけられないわね』
ヘレンが思いもかけない言葉を口にする。
『どうして?』
友達の言っている意味が分からず首を傾げる。友達はずっと友達じゃないの?
『だって、わたしは結婚しても男爵家の人間よ。身分が違うわ』
そういえばヘレンはあたしと同じ男爵令嬢だった。