婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
『わたしたちだってそうよ。リリアは大切な友達だもの。失いたくないわ』
『お茶会だってパーティーだって、二人を呼ぶから安心して。結婚してからも親友としておつき合いしてくれると嬉しいわ』
懇意にしていればって言ってたよね。だったら、呼んでも差し支えないはず。
貴族ってややこしい。
『こちらこそ、リリアにもったいなくもそういってもらえて嬉しいわ。わたしたちは親友ですものね。わたしもお茶会やパーティーにご招待するわね。その時はぜひ、出席してね』
『わたしも招待状を送るわ。リリアとこれからもおつき合いができるなんて夢のようだし、光栄だわ』
あたしたちは手を取り合って永遠の友情を確かめ合った。
あたしは浮かれていたのだ。
今まで対等だったのに卒業した途端に媚びへつらう友達に優越感を抱いた。
友達は男爵夫人や子爵夫人になるけど、あたしは侯爵夫人。
それだけでも身分に大きな隔たりがあるのを知った。