婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「しました」

「どんなところを反省したんだ」

「えっ? えっと……」

 胸を張って答えた分、具体的に突っ込まれると返事に困る。どうしよう。なんて答えよう。

「えっとですね。リチャード君を誘ったのが悪かったのかな、なんて」

 そうだよね。元凶はそこよね。あたしがリチャード君に興味を示さなければ、謹慎することもなかったし、エドガーに会えなくなることもなかったと思う。
 確信はないから、曖昧に笑って答えた。

 正解? 不正解? どっち?

「リチャード殿下の御名を気安く呼んではいけない。そんなこともわからないのか? それとも殿下自身が許したのか?」

 答えを期待していたら、説教されてしまった。

「うーん。許してもらったわけではないですけど、子供ですよ」

「年齢など関係なく相手は王族だ。我々よりも遥かに身分が高い。敬意を払い礼儀を弁えて接していかねばならないのに。本来なら男爵家ごときがお目通りが叶うような方々ではないんだぞ」

 あたしの訴えを無視して延々と説教が続く。聞きたくない。
 うんざりしてきた。何を言っても取り合ってくれない。
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