婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「あたしはエドガーと結婚するの。エドガーしかいないのに。エドガーにもあたししかいないの。どうして、どうして。イヤ。イヤだ。修道院なんて行きたくない。エドガーのそばにいる。エドガーの所に行くー」
取り乱したあたしは机に突っ伏してイヤイヤをして何度も頭を左右に振った。
「マギー、サント。すまないがリリアを部屋へ連れていってくれるか」
「それとマギー、リリアの荷物の準備を頼む」
「承知いたしました」
泣きじゃくっている間、勝手に話が進んでいく。
もう、何を言っても遅いのだ。あたしは修道院へ送られる。エドガーとは永遠に会えない。それはイヤよ。イヤ。
最後の最後まで粘って考え直してくれるようにとお父様にお義兄様に縋りつくようにお願いした。
けれど、どんなに懇願しても願っても祈っても決定したことが覆ることはなく。
一週間後、あたしは修道院へ送られたのだった。