婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「それが、エドガーはリリアさんと離れて友人達と庭園にいたらしく騒ぎには気づかなかったと。わたくしも主人も別の場所にいたので騒ぎを知ったのは終盤頃。それに遠目だったから何が起きたのか詳しいことはわからなかったわ」

 わたくしたちもチェント男爵もエドガーと一緒だからと安心していた。二人でいればバカなことはしないだろうと思っていたし、卒業パーティーで問題など起ころうはずもないと高を括っていた。
 というより、どうやったら問題を起こせるのだろう。

 中には羽目を外す者はいる。例えば、悪酔いしてちょっと絡んで管を巻くといったちょっとしたいざこざはあるけれど、すぐに収まる程度。社交界を騒がせるようなスキャンダルにはならない。

 それなのに……

 エドガーが目を離した隙にリチャード殿下に近づき無礼を働いて王太子両殿下の不興を買うなど、言語道断。

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