婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
疑問符をいっぱい並べながらレイ様の顔を凝視していると観念したのか、気持ちを落ち着かせるためなのか息を吸い込んで吐き出して、それからおもむろに話を始めました。
「実は……ローラの事を三年前から好きだったんだ」
「……えっ⁉」
さ、三年? 好き?
衝撃的な言葉が飛び出してきて、瞬きも忘れて見つめてしまいました。心なしかレイ様の耳が赤くなっているような。
「そんなに見られると恥ずかしいんだけど」
「す、すみません」
吸い寄せられるように釘付けになった私と照れくさそうに顔を赤らめるレイ様。
信じられないような告白に動揺してしまいましたが、よくよく考えてみれば、三年、三年前……。
「三年前? レイ様に初めてお会いしたのは、ガーデンパーティーの時だったと思うのですが?」
記憶を辿っても心当たりがなくて、頭を捻っていると
「やっぱり、覚えていなかったんだね」
がっかりしたような声が聞こえました。