婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています

「ローラが会場に入ってきて顔を見た瞬間、時間が止まってしまったような錯覚に陥って目が離せなくなってしまったんだ。お祝いを述べた時に聞いた可愛らしい声と可愛らしい微笑みも忘れられなくて。ふとした時にローラの姿が頭の中に浮かんだりして、その時には一目惚れしたなんて全然気づいていなかったんだ。我ながら間抜けだよね」

 可愛らしいとか、笑顔が忘れられないとか、他にもなんだか信じられないようなことを口にしていらっしゃいますが。
 一目ぼれって……そんなことがありえるの? 地味な容姿の私に?
 
 そういえば、西の宮に連れて来られた日に初めてではないっておっしゃったのはこのことだったの?
 思いもかけない告白に、どう答えればいいのか分からず困惑したままレイ様をただ見つめていました。 
 
「しばらく経った頃、ローラの婚約が決まったと噂に聞いて、ショックを受ける自分がいて、すごく落ち込んでしまってね。その時になって初めて自分の気持ちに気が付いたんだ。俺はローラに恋していたんだって。もっと早く、授与式の時に気持ちを自覚して行動に移していればって、何度後悔したことか……」

 ちょっと、待って。

 それは、つまり……ガーデンパーティーで知り合う前から私の事を思ってくださっていたってこと?
 
 次々に暴露される告白に心がパニック状態。信じられないけれど、信じていいの?

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