婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「ごめんなさい」
先ほどのこともあってかリッキー様も素直だわ。
反省したのは一瞬。すぐに満足そうに本を胸に抱え込むと駆け出しました。
「部屋の中は走らない」
またもやレイ様の注意が飛びます。
「はーい」
元気な返事が返ってきて、走ることをやめたのはよかったのですが、その代わりスキップに変わっていました。あまり効果はなかったようです。
「まったく」
レイ様が呆れたように大きく息をつきました。
リッキー様はまだ五才ですから、まだやんちゃなお年頃。
レイ様も本気で怒っている様子はなくて、甥っ子のやんちゃぶりに困った風でもあり、かわいらしくもありという気持ちが伝わってきます。