婚約破棄から始まる恋2~捕獲された地味令嬢は王子様に溺愛されています
「レイ様の心配もわかりますが」
口を挟んだ途端、二人の視線が私に集中しました。
「ローラおねえちゃん。こっちに座って」
先に言葉を発したリッキー様は、期待に満ちた表情でソファをポンポンと叩きます。隣に座ってということなのでしょう。本を読んでもらう気満々ですね。
「レイ様、私は構いませんよ」
自分の本はまた読む機会はあるでしょうし、可愛らしい天使にお願いされたら断ることはできませんもの。
「しょうがない。今日だけだぞ」
くしゃくしゃと髪を掻きながら、根負けしたのか先に折れたのはレイ様でした。
子供には勝てませんものね。
でも、今日だけって……少々、大人げない気もしますが。