✧*。最愛✧*。
目を真っ赤に腫らして泣いている彼女を立たせて、病院内に入ると錦先輩が手術室前の長椅子で頭を抱えて座っていた
「錦、先輩…」
「………乃愛ちゃん」
そう言って顔を上げた先輩は憔悴(しょうすい)しきっていた
先輩の顔には殴られた痕がある
ふらつく美沙希を椅子に座らせて、私も隣に腰掛ける
「錦先輩…二人が事故ったって聞いたんですけど…何があったんですか?」
「……ッ」
目を瞑る先輩の顔には後悔の色がにじんでいる
「黙ってても分からないじゃないですか。教えて下さい」
はぁ…とため息をつき 両手で顔を覆った