✧*。最愛✧*。
✾絶望の中✾
右手の薬指に光る指輪をそっと外す
家に帰ってから、部屋にある雪夜との思い出の物、それと一緒に指輪も段ボールに入れクローゼットの奥に片付けた
Lineで『海には やっぱり行けない』と美沙希に連絡を入れ、それから数日間は気持ちの整理をする為に一人で過ごした
その間、美沙希から何回も電話がかかってきたけれど出る事はなかった
朝早くから鳴り続けているチャイムの音で目が覚める
………誰?こんな早くに
ボーッとした頭で玄関の鍵を開けると同時にガチャっと勢いよく扉が開いた
「乃愛!何で電話に出ないの!ドタキャンなんて許さないよ!!」
そう言って入って来た美沙希は、ご立腹の様子
その迫力に思わず後退る
「美沙希…私ね、この前 雪夜に別れを告げたばかりなの。頭では分かっていても気持ちが付いてこないんだよ。だから、今日は…「却下!!そんな事、言ってるから いつまでも前に進めないんだよ!ほら!準備、準備」」
何て強引な子……