プラットホーム
第1章

出逢い





何も知らない。


ただ、毎日同じ電車の同じ車両に、乗っているだけ。


制服から分かるのは、
私が通う女子校の近くにある男子校に通ってる。


ただそれだけ。



それでも、初めて見た日から、あなたのことが好きでした。






******






よしっ…今日も同じ電車!


満面の笑みを浮かべて、電車に乗り込む。


6時53分発の3両目に、いつもあなたはいる。



ただ見ているだけでいい。


あなたのことが知りたいわけでも、
想いを伝えたいわけでもない。



この時まで、
ただ見てるだけでよかったんだ…。




前野 千耶《マエノ チヤ》一16歳




まだ本気の恋を知らなかった…。





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