プラットホーム
「千耶〜おはよ」
「おはよう和歌子」
何駅か乗っていると、いつものように友達の、
久米 和歌子《クメ ワカコ》
が、乗って来た。
「よかったじゃん、今日もあの人いるね」
楽しそうに彼の方を見ながら、和歌子は耳打ちをする。
その言葉を聞いて、赤い顔をしながら、頬が緩むのが分かった。
「…うっさい。」
「相変わらず分かりやすいわね、あんたは」
そう言って、ケラケラと笑い出す。
一応、ここ電車の中だから、静かにしようよ…。
そんなことを思いながら、右を向くと、
一バチッ
「……………」
1…2…3…4…5……
私が見てる視線の先には、私を見てる視線がある。
「でさっ千耶〜」
「ヘっ何!?」
急に声をかけられたことに驚き、とっさに和歌子の方を向いた。
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