囚われの令嬢と仮面の男
修繕された生垣のそばにしゃがみ込んでいると、お父様に声を掛けられた。
「……お友達が来てくれるから」
今までなら勝手に抜け出すことを秘密にしていたので、この場所にイブが現れることを話そうとは思わなかった。
急に会えなくなった寂しさから、私を愛してくれているお父様に私の気持ちを聞いてもらいたくなった。
「ねぇ、パパ。どうしてイブは来なくなったのかな。わたしのことが……嫌いになったのかな」
「そんなことあるもんか。きっとその子にも事情があって、どこか遠い場所にでも行ったんだろう」
「……そうなのかな」
お父様は落ち込む私を不憫に思ったのか、裏庭に私専用の花壇を作ると約束してくれた。
色とりどりの花を植え、それを眺めているうちにまたイブが遊びに来てくれるかもしれない、私はそう期待して喜んだ。お父様に感謝を伝えた。
その日のうちに、屋敷内である噂を耳にした。
話していたのは女性の使用人たちで、ほんの七日前、目立たない暗がりの路地裏で少年の頭が銃で撃ち抜かれたという、世にも恐ろしい内容だった。
七日前と聞き、イブと最後に会った日だと気づいた。
「……お友達が来てくれるから」
今までなら勝手に抜け出すことを秘密にしていたので、この場所にイブが現れることを話そうとは思わなかった。
急に会えなくなった寂しさから、私を愛してくれているお父様に私の気持ちを聞いてもらいたくなった。
「ねぇ、パパ。どうしてイブは来なくなったのかな。わたしのことが……嫌いになったのかな」
「そんなことあるもんか。きっとその子にも事情があって、どこか遠い場所にでも行ったんだろう」
「……そうなのかな」
お父様は落ち込む私を不憫に思ったのか、裏庭に私専用の花壇を作ると約束してくれた。
色とりどりの花を植え、それを眺めているうちにまたイブが遊びに来てくれるかもしれない、私はそう期待して喜んだ。お父様に感謝を伝えた。
その日のうちに、屋敷内である噂を耳にした。
話していたのは女性の使用人たちで、ほんの七日前、目立たない暗がりの路地裏で少年の頭が銃で撃ち抜かれたという、世にも恐ろしい内容だった。
七日前と聞き、イブと最後に会った日だと気づいた。