好きだよ
「もう嫌いになった?」
そう言って俯く彼女を僕は黙って見つめるしかできない。安心させる言葉はいくらでも繕うことができるのに、それを紡ぐことができない。したくない。覚悟がない。
「嫌いになんてならないよ。…でも、ごめん」
先にいなくなる僕を許してとは言わない。でも忘れないでほしい。
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