闇と月
「柚華、お前自分があの時、なんて思ってねぇだろうな?」
そうが怒った顔でそう言う。
『そんな事は…』
「なんだよ、それ柚華。」
仁は少し焦った表情で。
『……』
私は何もいなかった。
「柚華、顔上げろ。」
仁の手が私の両頬を覆い上を向かせる。
「なぁ、俺らそんなに頼りないか?信じられないか?」
仁、渉、勇大、康太、翔、皆の顔を順番に見ると皆の悲しそうな、それでいて優しい顔ををしていた。
皆を信じられない?
そんな事ない。
それでも少し怖いんだ。
「柚華ちゃん、月光は、仁達は、俺の弟はきっと柚華ちゃんのこと受け入れてくれるよ?」
『こー君…。私、覚悟決めた。』
よく出来ましたと、こー君は頭を撫でてくれた。