闇と月
しかし、兄は帰ってこない日もあり私の居場所はなくなっていた。

それでも、兄は帰ってくると私を可愛がってくれた。

この時には既に親から完全に放置され、食べ物は余り物などを食べたり、給食でどうにかしのいでいた。

夏休みに入るとそれは地獄だった。

給食が無いため食べ物る物がない。

両親も仕事が忙しく家で食べないため余り物も出なかった。

兄も夏休みに入ってからあまり帰って来なくなった。

兄にも兄の事情があった。

私に対しては育児放棄だったが、

兄に対しては毒親だった。

そのため、顔を合わせれば喧嘩をしていて家に寄り付かなくなったのだ。

その頃余り家にいなかった兄は私の状況は知らなかった。


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