闇と月


家に着き誰もいない玄関の鍵を開ける。

誰もいないから当たり前だが家の中は真っ暗だ。

私は急いで電気をつけた。

暗いのは嫌い…

外の夜はいいのでも、部屋の中が暗いのはダメ。

だって闇に飲まれそうになるなら…

久々に人と話た気がする。

普段は学校では誰も私に話しかけてこないから。


夕飯は何も食べずにそのままシャワーを軽く浴びてベッドに入ったが眠れない。

やっと眠れそうな時に目覚ましは鳴る。

ピピピピ

ほらね。

シロがうるさいので遅刻はできない。

いつも通り朝ごはんはコーヒーと飴。

いつも通りにカラコンを入れ、髪を黒く支度をして制服に袖を通す。

また1日が始まる。

学校に着くと今日も私が入ると静かになる。

机の中には〝消えろ〟〝死ね〟などの紙が入っている。

(朝からこんな幼稚なことの体力使って疲れないのか…
はぁ〜めんどくさい)

今日は月虹の人達はいないみたい。

まぁ不良が朝から学校来ないか…

屋上は鍵が壊れてるから勝手にいつも入ってサボりに使っている。

屋上へ行き、タバコを取り出す。

早く1日が終わって欲しい。

1日じゃない、早く一生が終わって欲しい。

そしたらまたあの人に会えるのに…

でも自分で終わらせる勇気は私にない。

そんな弱い自分が嫌いだ…


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