闇と月
いつもだったら、きっとそんな事は思わなかったけどもう、体が限界を叫んでいたんだと思う。

私はそこから逃げ出すことを決意した。

靴も履かずに家から飛び出した。

でも、行く宛てもない私はただひたすら遠くへ、遠くへと走った。

雨が降り始め、段々と体温と体力が奪われた。

気づいたらネオンがキラキラと光る繁華街にきていた。

私はそこが繁華街とは知らなかったが、初めて見た夜の町は私にとって新しい世界そのものだった。

そこで私の意識は途切れた。

気づいたらベッドの上で寝ていた。

私の周りには見覚えのある懐かしい顔が集まっていた。


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