闇と月
真っ暗
ここはどこ?
暗いのは嫌だ。
怖い。
あれ、手に温もりを感じる…
これは、誰の手?
私を引っ張ってくれるのは誰…?
この、香水の香り…
そこに一筋の光が見えた。
これでやっと、あなたの顔が見えると思ったのに彼は光に反射して見えない。
あなたは、私をこの暗闇から救ってくれるの?
眩しい…
目を開けると白い天井。
あ、そっか私あのまま寝ちゃったのか。
寝る直前のことを思い出し、少し恥ずかしくなり顔が熱くなるのがわかった。
そういえばさっきのは夢か…
そう思い手を動かそうとすると、誰かに握られていて動かせなかった。
顔をゆっくりと左に動かすとそこには仁が私の手を握りながら眠っていた。
窓から射す光に仁の綺麗な銀色の髪色がキラキラと光る。
私は右手を仁の頭へ持っていきその、染められているはずなのに傷んでいない綺麗な髪に触れた。
「ん…柚華?」
思わず手を離そうとすると、仁の手が私手を掴んだ。
「もう少し、このまま。」
そう言われ、私は仁の頭を撫でた。