闇と月
怖い怖い診察が終わり、病室に戻ったらちょうど看護師さんがご飯をトレーの上に乗せて持ってきてくれた。
トレーの上にはお粥とヨーグルト、りんごジュースが乗っていた。
たぶんゆうが頼んでくれたんだ。普通のご飯だと最近食べていなかった私の胃には重すぎるから。
『ありがとうございます。』
そう言い私はトレーを受け取った。
「食べ終わった頃にまたトレー回収に来ますね。」
『はい。』
私はお粥に手を伸ばしちびちびと食べ始めた。
半分ぐらい食べると結構お腹一杯になってしまい箸が止まった。
ヨーグルトは私の好きなみかんの果肉入りだったので、頑張って全部食べた。
ちびちびと食べていたせいか、気づいたら2時間くらいたっていた。
看護師さんがトレーを回収しに来てくれて、りんごジュースは後で飲みなと冷蔵庫に入れてくれた。
そうこうしているうちに日は完全に沈み、月が登り、消灯時間となった。
私は暗いのが苦手なので、個室は本当にありがたい。
部屋のリモコンで電気をつけようと手を伸ばした時病室の窓から月の光が差し込んだ。