闇と月


その光は消灯して暗くなっていた私の部屋を優しく照らした。

リモコンに手を伸ばしていたのを引っ込めもう少しこの光の中にいようと思った。

『綺麗…』

思わず言葉が出てしまうほどにその光は私にとって綺麗だった。

月を見たのは、夜空を見上げたのはいつぶりだろう。

そう思いながら私はゆっくりと眠りについた。

気がつくとそこは辺り一面何も無く私1人しかいなかった。

私は何もないところで横たわっていた。

浮いいるのか、それとも地面があるのかも分からない。

あ、これ夢だ。

あれ、夢って気づきながらも夢のなかにいる事ってなんて言うんだっけ?

えっと…

確か明晰夢(めいせきむ)だった気がする。


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