闇と月


どうせ夢なら顔くらい見せてくれても良いのに…

私はそう思いながら目を閉じた。

嫌な思い出ばかり思い出させる夢は嫌いだったが、たまには良いかもなんて思いながら昔の蓮にぃとの思い出を思い出す。

蓮にぃが私を倉庫に連れて行くようになってからタバコをやめ、倉庫内で吸うのを禁止にさせた事、

こー君やそう、シロ、ゆうと一緒に幹部部屋で遊んだ事、

私のために総長専用の椅子の隣に私の椅子を買って置いてくれた事。

蓮にぃがいなくなってからはなんで生きてるんだろうなんて毎日思ってたけど、仁達に会うためだったのかもしれない。

都合のいい考え方かも知れないけど、蓮にぃからの贈り物だと思った。

もう一度星空を見ようと目を開けるとそこはもう見慣れた天井だった。

時間を確認しようと時計を見ると7時30分だった。

そろそろ朝ごはんが運ばれる時間だった。

前は自分で取りに行くシステムだったけど私がいつも取りに行かないから看護師さんやゆうが持ってくるようになったのだ。


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