闇と月
八章 家族〜柚華sayd〜
あれ、ここどこ…
何かに包み込まれているような、
なんだか安心する香り、
居心地がいい。
私を包み込んでいる何かに私は擦り寄った。
ん…思ったより硬い…
でも、嫌いじゃない。
重い瞼を開くと私は仁に横抱きされ車に揺られていた。
『あ…』
「ちょうど起きたか、もう着くぞ。」
私、仁の腕のな中で安心しきって寝てたって事…
私は先ほどの行動を思い出し顔が熱くなった。
恥ずかしい、穴があったら入りたいくらいだ。
『ってちょっと、おろしてよ。』
一体いつまで私はこの体制でいるんだ…
「……」
顔を上にあげ仁を見ると心なしか、仁の耳が赤い気がした。
なんでだろ…
いや、今はそんなことよりこの体制なんとかしないとだ…