闇と月


すると突然、キャーという叫び声が聞こえた。

「柚ちゃん‼︎もう、見ないうちにすんごい美人さんになってるじゃん!入院したって聞いたけどもう平気なの?」

心配したんだから〜とこー君を押し退けて私に抱きついてきた彼女は、

『朱音さん、お久し振りです。今日からよろしくお願いします。』

私に抱きついて来た彼女は仁とこー君のお母さんだった。

子供が2人いるような年に見えないくらい若く、可愛い人だ。

いつも明るくて、私とは大違い。

「んもぅ〜そんなかしこまらないで!!柚ちゃんは、私の娘なんだから!」

正直、親の温かさというのは私にはよく分からない。

私にとって家族は連にぃだけで親というものがどういうものなのかよく分からなかった。

でも朱音さんがお母さんのように私を可愛がってくれて、これが親の温かさなのかななんて思ったりもした。


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