闇と月
『お邪魔します。』
「もう、お邪魔しますじゃなくて、ただいまでしょ!!」
「あぁ、朱音の言う通りだ柚華。ここはお前の家だ。お前は、俺達の大事な娘だからな。」
2人の娘…
そんな幸せな事があってもいいのだろうか。
「柚ちゃん、おかえり。」
朱音さん、悟くん、こー君…
素直に嬉しかった。
心が暖かくなる。
ありがとうと口を開こうとしたが、仁の声に遮られた。
「そうだな、もう荷物もこっち持ってきたしな。」
『は…』
開いた口が塞がらないとは正にこのことだろう。
荷物って…
『どうゆう事…?』
「だから、お前ん家の荷物。てか、お前門限がどうの言ってたけど一人暮らししてんじゃねぇかよ。」
そんな、さらっと私の家の荷物持ってきたって…
「やっぱり、柚ちゃんに聞かないでかってに解約って酷いよね?」
えっと…朱音さん?
「颯太には許可取ったからいいんじゃねぇか?」
悟くんも何、言ってんの…
「でも、柚ちゃん荷物少くて助かったよ。荷物持ってくるの楽だったから。にしても、女の子にしては少なすぎじゃない?」
こー君…?
荷物すくないって何?
えっと、解約って…
『私の家…』