闇と月
槐の間の扉を開くとそこはもう宴会頑張っ始まっていた。
「柚ちゃん、遅いよ〜。先に飲み始めちゃったじゃん。」
「柚華、退院おめでとう。」
こー君とそうがそれぞれ私に声をかける。
『遅いってそう達が来るなんて聞いてないんだけど。』
私は皆がくるなんて一言も聞いていなかったから遅いも何も知らなかったのだから仕方がない。
机の上にはお刺身やビール天ぷらなど豪華な和食が並ばれていた。
「やっと主役のお出ましか〜?」
シロがビールを片手に私にその手を傾けた。
『あ、シロ私月曜から学校行くから。』
入院やらなんやかんやで1週間以上学校を休んでしまったのだ。
でもまぁ私の通っている高校はテストさえ出来れば進級できるのでそんなに深刻な問題ではない。
「あぁ、そうだな。月曜からは来た方がいい。」
『行くけど、なんで?』
「月曜から中間テストだ。」
それはまずい。
どっちにしろ行くつもりだったからいいものの、もっと早く教えて欲しかった。
別にバカという訳ではないが少しは勉強しておきたいという、気持ちの問題がある。