闇と月
私はお刺身に手を伸ばし3.4枚食べた辺りで手が止まった。
「柚ちゃんちゃんと食べてる?」
ゆうが箸が進まない私を見かねてか、声をかけてきた。
『食べてるけど、もうお腹いっぱい。』
そう言いながらグラスに入っている飲み物をちびちびと飲む。
何故かグラスの中身が全然減らないのだ。
ちびちび飲んでいるせいなのか一向に減らない。
「柚華、顔赤いぞ?飲みすぎじゃねぇか?」
飲みすぎ?
そんなわけはない…
これまだ1杯目のレゲパンだよ…?
『ほんなことなひよ?じんは、いっぱーい飲んでるぅ?』
体がなんだか暑い…
「柚華…酔ってんのか?」
『酔っ払ってなひよ。柚香元気だよー!』
なんだか楽しい。
心が軽くて頭がふわふわしてる…
「おま、気づいて無かったのか…?勇太達がグラスの中がなくなる前に酒継ぎ足してたのを。」
『にゃあにぃ〜じん?』
なんかジンの耳が赤くなってる。
なんでだろう?
顔も背けちゃうし…
『やだ、じんなんで柚華の方見てくへはいの?』
なんだか仁がこっちみてくれないのやだ…
「あれ?柚ちゃん酔ってる?」
『こー君!!じんがね、こっち見てくへはいの。柚華の事嫌いになっちゃったのかな?』
隣にいる仁の膝の上にハイハイしながら近づいた。