闇と月
「お前なんか生まれなければよかった。」

「なんでお前が生きて、あいつが死んだんだ?」

「お前が死ねば良かったんだ。」

そう言われながら暴力を振るわれた。

実の親に。

所謂虐待だった。

だからこの言葉だけはダメなのだ。

''お前なんか生まれなければよかった"

これは私を恐怖のドン底へ突き落とす。

私は震えだした体を抱きしめるように両手で抑えた。

女達が出て行ってどれくらいだったか分からない。

何十分もあったかもしれないし数秒だったのかもしれない。

少し落ち着き私は外へ出た。

そのまま幹部部屋へ戻り、また幹部部屋へと戻った。

それからどう過ごして家に帰ったのかあまり覚えていない。
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