闇と月


だが、もう何日も眠れていない私の頭はそこまで回っていなかった。

そして仁の部屋につき、ドアを開け中に入った。

もちろんそこはもうあの人の部屋だった時と変わってしまっていた。

だが、何処か懐かしい感じもした。

部屋は黒で統一されていてシンプルな部屋だった。

私はベッドまで行ったところでふと思った。

『なんで仁まで一緒に入ってきてんの。』

「俺の部屋だから問題ねぇだろ。」

まぁたしかにここは仁の部屋だから正論だが、私は困る。

人が近くにいるとあの癖が出てしまうからだ。

「早く寝ろ。最近なんでか知らねぇが寝れてーだろ、目の下隈できてんぞ。」

コンシーラーで最近は隠していたがバレていたのか…

『寝るから、出てって…』

「お前、そう言いながらもう寝そうだぞ。クスッ」

ダメ今寝たらあの…癖が…

でももう睡魔には勝てなかった。

どうか、癖が出ませんように…

『柚華、起きるまでそばにいてね。』

仁がびっくりしたような表情をした気がしたが、もう私は自分で何を言ってるのか分からないくらい夢の世界に入っていた。

また、あの夢だ。

親に殴られ、蔑まされる夢、記憶。

何度も何度も殴られる。

やめて、お願いだから…嫌だっ

「おい、…華 おい、柚華!」

目が覚めた。

息が切れ、冷や汗もかいている。


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