闇と月
あれ、なんで仁が…?
あ、そっか私寝ちゃってたのか。
え、寝てた…私寝ちゃったの!?
「お前、うなされてたぞ。」
『あ、いやその前に私寝る前何か言わなかったよね…』
どうか何も言ってませんように…
あの癖が出てませんように。
「あぁ、お前寝る直前に、柚香が起きるまでそばにいろって言ってたぞ。」
やってしまった…
そう、これが私の癖。
幼少期に親からの虐待などがあり親に甘えるということが出来なかった私はこの癖をつけてしまったのだ。
これに最初気づいたのはあの人だった。
それから私はなるべく人の前では寝ないようにしていた。
『聞かなかったことにして!!』
「いや、無理だな。珍しく女の子らしかったしな。クスツ」
こいつ、完全に私をバカにしている。
「あれ、お前の癖なのか?」
『そうみたい…小さい頃色々あって親に甘えらなかったからそれでその癖が。でも、私自分で何を言っているのか覚えてないからなるべく人前では寝ないようにしてたのに…
だからこのことは忘れて。』