闇と月


『えっと…月姫って言った?』

「あぁそうだお前、月姫になれ。」

そんなの無理だ…

私にはそんな資格ない…

月姫にまたなれる資格なんて。

だが、仁はそんな私の焦りなんて知る由もなく、

「拒否権ねーからな決まりだ」

なんて悪戯な笑みを浮かべながら言っている。

『月姫ってあの月姫だよね…?月光の姫で総長の大切な人だけがなれるって言われてるあの月姫?』

「そうだ。その月姫だ。お前、俺らのこと知らなかったくせになんか詳しいんだな。」

『いや、名前とか顔を知らなかっただけで、月光は結構聞くから。あ、ほら友達に聞いただけだから。』

「ダチね…」

そう言って仁は部屋から出ていった。

お前も早く来いと言いながら。

てか、お前にそんなやついたのか?みたいな顔でこっちを見られた…

疑っているような目つきで…

いや、失礼だろさすがに私だって友達ぐらい…

トモダチぐらいは…

いる…よ…ね…?

なんかいないような気もしてきたがまぁその辺は忘れよう。


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