闇と月


『私、月姫になることになった…
ごめんなさい、そんな資格ないのは…』

そうから資格がないと言われる前に自分の口から言ってしまおうと思った。

「月姫…本当か?良かったな。柚、資格がないなんて言うな…俺らが、あいつが悲しくなる。それに、月姫になるのに資格なんていらねーよ。総長が認めて、愛を注ぐ女ならそれだけでもう十分だ。今の代は…そうか、仁が総長だったな。この代は俺らに引けを取らないくらい強い。大丈夫だ。でも、たまにはまた帰ってこい。今度お前の就任祝いでもやるから皆集めて。分かったか?」

『うん…ありがと。』

そうの声に、そうの言葉に心がほんの少しだけ暖かくなった気がした。

『てか、そうなんで仁のこと知ってんの?それと別に私達付き合ってないから。なんか成り行きで…友達みたいな…そう、トモダチだから!』

なんでこんな私焦ってるんだろう?

仁と付き合ってるって思われて…

実際付き合ってないし嘘ではないけど。


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