闇と月
幹部部屋から出て下を覗くと人が沢山集まっていた。
まぁ当たり前だろう。
傘下のレディースや月光のメンバー全員が集まっているのだから…
私はこのこの光景をどこか懐かしくも思っていたがレディースの方々からの…
嫉妬
妬み
憎しみ
などのこもった目線のせいでその懐かしさはすぐに一気に消え去った。
まぁこういう目線は慣れてるから別にいいんだけど…
「連絡した通り月姫の紹介兼披露会をする。」
勇太が進行を進めた。
仁が私に自己紹介しろ、と背中を軽く押した。
はぁ、やりたくない…
私は憂鬱な気分ながらも前へ出てそして階段を降りて皆と同じフロアの前にある踏み台の上に立った。
階段を降りる時どこ行くんだ?みたいな怪訝な顔を皆にされたが仁だけは少し面白に少し口角を上げわたしを止めようとした渉に制止をかけていた。
『遠山柚華です。多分いきなりの紹介で認めたくないって人もいると思うし別に私も認めて欲しいなんで思ってないから。でも月姫になったからには嫌でも関わらなくちゃいけない事もあると思うのでよろしくお願いします。』
そう言い私は頭を下げた。
この自己紹介を聞いた人たちの反応はきっと、3種類だろう。
遠山という私の苗字に一瞬反応した人、
この自己紹介にイラっとした人、
あとはレディースの私の態度に対しての苛立ちや嫌悪・嫉妬。
この3つだろう。
だが、実は4つ目の反応をしている人達がいた事を私は知らなかった。
4つ目それは下のフロアに降りてきたという物珍しさと好感だった。
そう言って仁の方を見上げた私は仁に自己紹介終わったというのを目で送った。