闇と月


滝川さんの授業だけ出て俺らは屋上に行くことにした。

月高の時は屋上がたまり場だったしな。

「やっぱり俺ら暴走族と言えば屋上がたまり場ですよね!!」

「「だよね〜!!」」

「でも、この校舎は元々影高の校舎っすよね?他の奴らいるんじゃないっすか?」

「いたら追い出せばいいじゃん!!」

「そうだよ!追い出そう〜!」

階段を登りながら途中で合流した翔が勇太康太と話していた。

屋上に着くと鍵は壊されていて扉は少し空いていた。

誰かいるのか?

翔が扉を開け、屋上へ出ると柚華がいた…

俺らは一瞬固まってしまった。

その柚華の姿に

どこか遠くを見つめているような虚ろな目

手には煙草、その足元にはここに来ていてから吸っていたには量が多すぎる吸殻の山

まるで今にも消えてしまいそうなそんな儚いような感じだった

勇太が柚華の名前を呼んでいるが反応がない


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